偉い人の賭け麻雀とは、まず新宿のサウナで待ち合わせ。
全裸で挨拶。
「OO新聞の記者のXXです」
「はて、そちらの新聞社には君のような人物はおったかね」
「ふふふ、本日付で記者を拝命しまして」
「なるほど、ふうむ、代打ちか。面白い」
とかそういうような会話のあと、料亭の和室にある卓の前に移動。
「今日のチョコレート代です」といって各人無造作に土地の権利書や会社の抵当などを卓の上に放る。
「先生は?」
「馬鹿なこというな、わかっておるよ。あの事件のことを聞きたいのだろ。教えてやるよ。私に勝ったらな」
もちろん料亭のお女将は偉い人の壁役。お茶の注ぎ方などで当たり牌を教える。
当然新聞社の代打ちもそんなことは承知の上で手作りをする。
「おおそれそれ」
「ご無礼、頭跳ねです」は当然登場。
「先生、ここはひとつ余興で手積みなどはいかがですか」
「馬鹿なことを言ってはいかんよ、新人記者君。うわさは聞いておるよツバメ返しが得いな若造が新聞記者に転職したとね。」
などというたわいのない会話とともに夜明けまで麻雀をする。
もちろん絵は池上遼一先生だ。
何かあったら急に踊りださないとダメだ。
何かあったらすぐ全裸だ。
それが全国民が思う偉い人と新聞社の麻雀だ。
なんだ数千円とか。
弱(じゃく)すぎる。
もっとなあ、国民の期待にこたえるべきだ。