イーアルカンフーのキックの音「パポー」あたった音「ボッ」

復活した日記と旧来の日記の詰め合わせです。旧タイトル「夢はネジコンをねじ切ること」「部屋とYシャツと私と俺とお前と大五郎」 現在毎日更新チャレンジ中。

床屋さんについて

床屋に行くのは嫌いだ。

髪を切るのは嫌いではない。床屋に行くのが嫌いだ。

長い時間自分の顔を鏡で見るのに耐えられないのである。まさに鏡魅羅

(著名人エッセイ風の書き方)

 

というわけで床屋さんが嫌いなんだが伸びてきたので切ってきた。

もみあげの直上部分を握って握れるよう(ものすごく短いツインテール状態)になったら髪の毛を切るようにしている。

 

会社では自分は髪の毛を切ったことがないという設定になっている。

「秘密の店に行きのどちんこを引っ張ると髪の毛が縮むのでそれを繰り返している」

「小樽の毛無峠に行って帰ってくると自然に短くなっている」

「いったん職人が全部抜いた後に口の中に粘土状のものをぎっしり詰め込まれ気が付くと頭皮からにゅる~~~と髪の毛が出てきて髪の毛がちょうどいい長さになっている」

などと主張しているがそんなわけはない。切ってきた。

 

自分の顔を見るのが小学校の時から大嫌いで、小一時間顔を見続けなければならない床屋が非常に苦痛。なんでクソみたいなてめえの顔を見なきゃならないんだと。小学校の時何かの図鑑で読んだヘッドアップディスプレーが鏡にできて俺の顔が隠れながら野球中継でも流れないかなと真剣に思ってた。で、HUDはないので行きつけの床屋さんではテレビをつけてもらってそれ見ながら切ってた。

顔そりの前にやる蒸しタオルが嫌い。熱い。そして息苦しい。タオルを顔に置いた瞬間ゾワッッッ!!!とする。鳥肌というか、なんというか、アレ。

顔そりのあの熱い泡が嫌い。なにあの泡。何あの絶妙な熱すぎる温度。塗るとゾワッッッ!!!とする。寒気というかなんというか、アレ。

髪の毛洗う時のうつぶせ。無防備すぎる。あとシャワーが緩い。じゃっとかけろじゃっと。

ドライヤー。熱い。そして耳の裏の湿気が嫌だ。でも耳に当たると熱風が熱い。

そして終わった後。「さっぱりしたね」と言われる。なんだよさっぱり。普段はさっぱりしてないのかよ。じゃあなんだ普段の髪形はねっとりか。百歩譲って髪の毛伸びてきたことを「ねっとりしてきたね」と言われるなら切ったら「さっぱりしたね」と言われるのは仕方ないが、言わんだろ。なんだよさっぱり。侮辱だ侮辱。

 

もう床屋はこの世の拷問。地獄。

 

そんな自分の救世主は1000円カット。

切り方はやや適当。

だが安い上に早い。自分の顔見る時間が短い。顔もそられない。ドライヤーもない。

オシャレ軍に属していない人間には最高である。

安さ重視で値上がりすると客が飛ぶと言っている論評も見るがそういうことではない。

床屋への苦手意識、恐れ。

まるで8点差リードで試合後半を迎えた日ハムが、後半なんとなく西武打線につかまり2点取られた上にランナー満塁で森を迎えたような大量リードがあるのに得体のしれないものを感じる潜在的な恐怖だ。

そういったものを持った人間には値段の問題ではないのだ。

ブラボー。ブラボー髪の毛を吸う掃除機。ブラボー下に流れるニュースのディスプレー。

 

 

ということを考えながら毎回床屋に行ってます。